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「春の大三角」は日本では広く普及していますが、ヨーロッパや北米ではほとんど使われていません。 世界的には「グレートダイヤモンド」(アルクトゥルス,スピカ,デネボラ,コルカロリをつなぐ四辺形)の方がよく知られています。 「春の大曲線」は日本で名付けられたもので、北米では別のフレーズ(本文参照)で紹介されています。
スカイ&テレスコープ1977年5月号 に掲載された、「春の三角(Spring Triangle)」の挿絵。 グレートダイヤモンド(コルカロリを含む四辺形)の下の部分と紹介されている。/提供:Kelly Beatty(Sky&Telescope) |
ところで筆者は、この調査のために、スカイ&テレスコープ誌の現役のケリー・ビーティ氏に取材し
貴重な情報を提供頂いたのですが、なんと彼は「春の三角(Spring Triangle)」を採用する人そのものを知らなかった
といいます。このことも大変興味深く、夏の大三角,冬の大三角とは異なって「春の大三角」は日本でのみ
広く定着しているものでしょう。
また、日本で広く紹介されている「春の大曲線」は、近年に誕生した和製の造語です。
本誌の著者のお一人でもある金井三男さんによると、著名な天文学者の鈴木敬信(1905-1993 東京学芸大学)氏
が生みの親ということです。
金井三男さんの「集まれ!星たち」見上げて夜話 第151夜「春の大曲線を見よう」
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以上は、星ナビ誌2021年9月号「エーゲ海の風」に紹介した内容です。
その後、星座研究家のイアン・リドパス氏にこれらについて尋ねる機会を得ました。
氏は以下のように述べています。
英国と北米において、「夏の大三角」と「冬の大三角」は、日本で言われているものと同じ構成で普及しています。 一方「春の大三角」の話は誰からも聞きません。 日本で言われる「春の大曲線」は、私たちも知っていますが別の呼び方をします。米国で共通して呼ばれるフレーズに、なお、世界的には「グレートダイヤモンド」(アルクトゥルス,スピカ,デネボラ,コルカロリをつなぐ四辺形) の方が広くよく知られています。
“Arc to Arcturus and spike (or speed) to Spica”
「(北斗の)弧(arc)を延ばしてアルクトゥルス(Arcturus)へ, そしてスピカ(Spica)へ突き刺さる(spike)/」または「急ぐ(speed)」 があります。
「春の大曲線(Spring Great Curve)」という名称は聞いたことがありませんが、良い響きで私は好きです。
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