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アルフェラッツ(Alpheratz=αAnd)とエルナト(Elnath=βTau)は2星座で共有されていましたが、1928年天文学連合により、それぞれアンドロメダ座とおうし座の所属と決定されました。プラネタリウムなどの星座解説で、「アルフェラッツは「馬のへそ」の意味。星座の所属がアンドロメダ座となったのは、馬のへそが無くなるよりアンドロメダ姫の頭を優先したため」という説が語られることがあります。
しかし、両星の所属が決められた理由は説明されていません。また、アルフェラッツは「馬の肩(または単に馬)」の意味です。
アンドロメダ座とペガスス座
Celestial chart by Andreas Cellarius - Haemisphaerium Stellatum Boreale Antiquum(1660)の部分切出し |
おうし座とぎょしゃ座
Bode1801_Hemisphear の部分切出し |
さて、日本の解説書やプラネタリウムなどでの星座解説で紹介されるお話に、次のものがあります。
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○ アルフェラッツは「馬のへそ」の意味である。ペガススのへそが無くなるよりも、アンドロメダ姫の頭が無くなると大いに困ることなので、星座の境界線を引くにあたり、アルフェラッツはアンドロメダ座の星と決められた。
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この説はもっともらしいのですが、二つの間違いがあります。まず、星名研究のPaul Kunitzsch and Tim Smart の「 A Dictionary of Modern Star Names」によると、アルフェラッツは、前述の通りアラビア語で「馬の肩(または単に「馬」)」の意味です。もう少し正確に記すと、アラビア語で「馬の肩 mankib al-faras」が省略されてこの固有名になったと考えられています。ただし、アルフェラッツには シラー(Sirrah)という別名があり、こちらがアラビア語で「へそ」の意味です。
さらにデルポルトは、アルフェラッツとエルナトの所属をそれぞれアンドロメダ座とおうし座に決めたことについて、何も説明を残していません。
ちなみに、エルナトはアラビア語で「(角で)突くもの」を意味する「al-nath」に由来しています。古く数人のアラビアの著者は おひつじ座α星に「Nath」と名付けていましたが、後世誤って、おうし座β星の固有名に移行したと考えられています。エルナトは、おうし座にとってふさわしい名称ですが、一方で天文学上のぎょしゃ座は右足を失うことになりました。
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